美術館巡り その2

オペラ地区とルーブル美術館の間に広がるパレロワイヤル。

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18世紀には人気の繁華街、フランス革命期には、

革命家たちのたまり場ともなっていたパレロワイヤル。

今は、観光で訪れる人もあまりなく、

パリっ子たちののんびり憩いの場となっています。


アーケードが囲む中庭には、

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黄水仙にヒヤシンス、モクレンが花盛り。

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みんなお日様に向かって日光浴中です。

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春の青空、気持ちいい。

ダニエル・ビュレンの円柱群。

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設置当初は賛否両論ありましたが、

今では、すっかり馴染んでおしゃれな撮影スポットになっています。


そして、いよいよパリ三区マレー地区の

コニャック・ジェイ美術館へ。


メトロの通路で見つけた展覧会のポスター・

『ジャン=バティスト・ユエ』展。


ルイ16世おかかえ画家としての絵画作品に続いて、

いよいよ、楽しみにしていたトワル・ド・ジュイのための下絵のコーナー。



こちらは、エスカーポレット(ぶらんこ)というタイトルの

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ユエ作ぶらんこの少女柄生地の下絵です。

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ぶらんこを揺らす青年と、

ぶらんこが揺れて行く先にも、もう一人青年が。

オノレ・フラゴナールの絵で有名なテーマで、

当時好んで描かれたようです。

おしゃれで軽妙なロココならではの題材ですね。


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こちらは、『世界の四大陸』の下絵。

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ヨーロッパ大陸を象徴する女性と動植物。

とても繊細なデッサン。


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アフリカ大陸を象徴する象と大蛇、そして、

肌の黒い男の子。

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ワニに、

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ダチョウにライオン。

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動物画家でもあったユエの描く動物たちは、

生き生きとした表情が魅力的です。

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犬も猿も、

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リスも、

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生地のプリントが、原画にとても忠実なことに驚きます。


ユエのトワル・ド・ジュイ向け下絵には、

三つのスタイルがあるそうです。

『世界の四大陸』のように、柄が空に浮かぶ雲のように、

配置されているスタイルが様式1。


このように、

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左右対称に配置されたスタイルが様式2。

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そして、ナポレオン時代には、

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このように、様式3のギリシア風スタイルに。


下絵と生地の対比もありました。

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下絵ではビーナスは右向き。

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生地にプリントされると、左向きに。



下絵では左向きの月の女神ディアナは、

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プリントされると右向きに。

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下絵も素敵ですが、

プリントされた柄は落ち着いたワインカラーで

より魅力的ですね。


ユエによる椅子の側面部分の装飾デザイン画。

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ユエは、忘れられてしまった画家のひとりですが、

多才で、素晴らしい作品を残した画家・デザイナーだったのですね。


ユエ展を開催しているコニャック・ジェイ美術館は、

19世紀後半に大成功したサマリテーヌ百貨店のオーナー夫妻が

収集した18世紀コレクションを集めた美術館。


こんな素晴らしい天蓋のベットも展示されています。

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私のパリ到着の翌日から始まったユエ展。

偶然、メトロで見つけた展覧会のポスター。

午前中見たユエのサロン。

ユエとの、トワル・ド・ジュイとの縁を感じた一日でした。


夜は、お約束の生牡蠣!

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生牡蠣好きの、ウエディングプランナーKさんと今回も!

今回は、牡蠣を少し控えめにして、

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美味しいラクサスープヌードルで〆ました^^

アパートに帰って、

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ゆっくり読もうと、カタログをお土産に。


楽しいパリ5日目でした。


par Florilèges*S


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パリ美術館巡り その1

パリ5日目、金曜日。

この日はオフ!

お友達と美術館巡りの予定です。

メトロで30分ほどの美術館へ。

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ところが、車両の故障で乗るつもりだったラインが止まってしまい、

急遽バスで向かうことに。

ずいぶん約束の時間に遅れてしまうことを伝えてほっと窓の外を見ると、

大好きなパリの朝の風景が広がっていました。

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パリはフランスの中では北の方。

北フランス特有の、カミーユ・コローが描いたような

グレーのトーンがよく似合います。

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石畳まで絵になります。

テロの影響で観光客は22%減だそうですが、

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ルーヴル美術館の前には、朝から長い列ができていました。

オペラでバスを降りて、ここから動いているメトロに乗り換えます。

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急いでいるけれど、写真を撮らずにはいられない^^

美術館は、モンソー公園のすぐ近く。

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この立派な門の向こうに美しい公園が広がっていますが、

今回の目的地は、ニッシム・ド・カモンド美術館。


いっぱい遅れて、なんとか到着。

パリの郊外サンジェルマン・アンレーから来てくれた

みなさんはちゃんと間に合って着いていたのに、ごめんなさい!

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久しぶりー!

まずは、カモンド邸のキッチンから見学。

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ニッシム・ド・カモンド美術館は、19世紀後半

トルコ系ユダヤ人銀行家カモンド伯爵が、トリアノン宮を模して作らせた、

気品あふれる邸宅。

彼の18世紀コレクションとともに、伯爵の死後、国家に寄贈され、

1936年邸宅美術館として開館しました。


こちらは、使用人たちの食堂。

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大きなオーブンに銅の鍋やフライパン、ケーキ型。

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海外ドラマ好きな私は、

ダウントンアビーみたいだな~と興味津々で見学しました。

そして、ホールへ。

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どこもかしこも美しく。。。

ご主人さまたちのお部屋のあるETAGES NOBLES(二階三階)へ。

(お屋敷では、地上階は玄関ホールと使用人の作業場、

二階三階が住居スペース、

屋根裏は、天井も低い女中部屋となっています。)


今回一番見たかった『ユエのサロン』。

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オーベルカンフのトワル・ド・ジュイ工場最盛期の

メインデザイナーでもあったジャン=バティスト・ユエの7枚の絵を

収めるために設計されたサロンです。

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家具も照明も、ため息が出るほど美しい。

ユエの油絵は、

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犬と鳩に導かれて、恋を成就させる

羊飼いの少年少女のお話を7枚の絵で描いています。

ユエは、ロココを代表する画家フランソワ・ブッシェの弟子であり、

ルイ16世のおかかえ画家でもありました。


どのお部屋もうっとり。。。

そして、窓の外には、

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伯爵お気に入りのモンソー公園が広がります。

なんて贅沢。。。

壁や扉の彫刻、額の飾り、

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らせん階段に彫刻、

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本当に何から何まで美しい美術館でした。

1時間~1時間半ほどで見学できる広さ、

当時の雰囲気そのままを感じることができる邸宅美術館、

おすすめです~♪


そして、ランチは、

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パリ13区中華街の人気店がオペラ地区に出した支店で、

ベトナムヌードル PHO。

4人でわいわい楽しく美味しくいただきました。

PHO14
17 rue Moliere 75001 PARIS
メトロ:Pyramides
11時~22時30分 日曜休み


オペラ地区は、別名日本人街。

日本のB級グルメのお店や美容院、日本食材が手に入る

日本や韓国のお店がひしめき合っています。

アンレーからいらした三人は、そこで買い出し希望でしたので、

私は、もう一軒、別の美術館を目指すことに。


その前に、

お腹もいっぱいになったし、とてもいいお天気なので、

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大好きなパレロワイヤルのアーケードをお散歩することに。


その2につづく。


par Florilèges*S

三月のトワル・ド・ジュイ美術館

パリ四日目。


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アパートは中庭に面しているので、

朝日が燦燦と差し込む窓ではありませんが、

それでもお天気の時には、朝の光を受けて

カーテンの柄がきれいに浮かび上がります。


カーテンを少し開けて、お天気を確認。

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うん!今日もいいお天気~♪

街路樹はまだ裸ん坊のまま。

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朝の冷たい空気も気持ちいい。

今日は、トワル・ド・ジュイ美術館へ。

今回は、パリの東オーステリッツ駅からRER C線一本で行きます。

電車はVersailles Chantiers(ヴェルサイユ ションチエ)行。

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終点の一つ前、Petit Jouy les Loges(プティ ジュイ レロージュ)で降ります。

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電車に乗って20分もすると、

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のんびりした郊外の景色が広がります。

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これから植え付けを待つ広大な畑。

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すっかり田舎の景色になったころ、到着。

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下車すると、無人駅です。

出口は一つだけ。

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この下り坂を下りて、左。
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この小さなトンネルを抜けると、

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トワル・ド・ジュイ美術館はこちらの標識。

右に曲がってくださいね。

シャルル・ド・ゴールという名前の道を

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ひたすらまっすぐ。

すると、7,8分ほどで、

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美術館のシルエットが浮かび上がって見えてきます。

でも、こちらは、現在は閉まっています。

美術館の入口はこちら。

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駐車場の入口からお城の美術館に向かいます。


おや!?

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お城の前庭に、不思議な彫刻。

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アーティストが作ったコクシグリュ。

トワル・ド・ジュイ生地の想像上の生き物が

カラフルな彫刻作品となって、

前庭を飾っていました。


この日の仕事は、トワル・ド・ジュイ美術館とのコラボ商品

クリアファイルの新作二点の納品と、

ジュイグッズの買付、文化村さんでの展覧会のこと、

そして、エスパドリーユの注文、生地のお渡し等々、

盛りだくさん。


久しぶりの美術館。

美術館館長さん始め、スタッフのみなさんともすっかり仲良しになって、

一緒にランチをしながら、積もる話をいっぱい。


ミュージアムグッズは、

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ますます充実。

いろいろと仕入れてまいりましたよ~♪

エスパドリーユの生地もしっかりとお渡しし、

ご希望の紐のお色も確認しました。


お別れする前に、美術館の皆さんのお写真をパチリ。

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左から、ブティックのマダム、館長さん、会計のマドモワゼルとマダム。

みなさん、とても親切です。


駅まで車で送っていただいて、無事パリに戻りました。

ほっとひと息。

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駅でおじさんが売っているバケツいっぱいの黄水仙を一束。

お部屋が一気に春になりました~♪


お仕事はこれでひと段落。

5日目はオフです^^


par Florilèges*S

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