光と新緑に包まれて~八瀬・瑠璃光院

先週初め、久しぶりにお出かけしました。

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グルナディーヌ ターコイズのエスパドリーユ、初おろし。

待ち合わせは、

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叡山電鉄 出町柳駅。

30年来のお友達Tちゃん、アトリエに来ていただく約束を、

前日に急遽変更して、

二人とも行きたいと思っていた場所へ!

八瀬比叡山口駅を出て、

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高野川を渡って、

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少し歩くと、

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着きました。

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去年の新緑の季節からずっと憧れていた、 

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瑠璃光院。

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石の階をどきどきしながら、ゆっくりと上ります。

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ふかふかの苔が

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美しい緑の陰影で織り上げられた敷物のよう。

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爽やかな五月の風、

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緑の間から降り注ぐきらきら陽の光、

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深呼吸が気持ちいい。

心がほぐれていくのを感じます。


靴を脱いでまずは書院二階へ。

階段を上ると、目に飛び込んでくる緑の山と青い空。

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みなさん、思い思いの場所に身を置いて、

ゆったりとしたひとときを楽しんでいます。


階段を上がって左を向くと、

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一年間ずっと恋い焦がれていた「緑の間(ま)」が、

思い描いていたとおり、

目の前にありました。

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漆のローテーブルに映るモミジの緑。

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日本って美しい。。。

日本人で良かったと、

心から思います。

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このままずっと夕方まで、

光と緑の変化を感じて過ごしてみたい。。。

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身を置く場所によって、漆のテーブルに映る景色が変わります。

磨かれた廊下にも緑が映り、

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こんなにも自然と一体になれる建築は

日本ならでは、ですね。

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瑠璃光院のある八瀬の地は、もとは大海人皇子が背に矢傷を負って、

この地の釜風呂で傷を癒されたといういわれのあ土地。

八瀬は矢背とも書くそうです。

癒しの地として、貴族や武士に愛された保養地に建つ

大正昭和の大改築による近代数寄屋造りの書院。

戦後の開発の波にのまれ、取り壊されるところを、

一千二百坪の土地とともに寺院として残すことで存続されるに

至ったのだそうです。


近年は、新緑と紅葉の時期に期間限定で一般公開されています。

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光の向き、焦点の位置によって、

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写真にすると、緑の色が微妙に変化するのも楽しい。

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アンティークのガラスのように、

漆の揺らいだ表面に映る緑が、

揺れる水面に映っているかのよう。

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瑠璃の庭に魔法をかける素敵な漆のテーブルは

シンプルな八人がけ。

凝ったデザインもなく、ただ美しい

漆という素材と職人による丁寧な塗り、

日本の美がここにありました。


階下へと降りる階段、ふと目を上げると、

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雲一つない五月の青空と柔らかな緑に包まれた山並み。


日本のお風呂のルーツともいわれる蒸し風呂の遺構も見学できます。

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そして、一階の間へ。

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瑠璃の庭を一階から臨む。

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緑に包まれた庭も、

空と山を借景とした眺めも、

どちらも目に優しく、心をほぐしてくれます。

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網代天井も美しい。

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臥龍(がりょう)の庭。

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水の流れと石組みで、

今に天に駆け昇ろうとする竜を現したお庭。

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磨き上げられた板の間で、

お茶をいただきながら、

時間を忘れてとりとめもないおしゃべり。

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池の鯉たちのランチタイムに、

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空腹を思い出し、

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お庭を眺めながら、ゆっくりとおしゃべり。

気が付くと、お昼を回っていました。


和の庭に、エスパドリーユが映えます^^

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群生するシャガの花に見送られて、

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瑠璃光院を後に。


敷地の一角にある瑠璃光院管主さんがコレクションされた

ルイ・イカールの美術館も見学。

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和モダンな空間に、アールデコを象徴するアーティストの一人、

イカールの軽妙洒脱妖艶な作品がゆったりと飾られていました。

二つの大戦の間のつかの間の平穏を

みな夢中で楽しんだ時代ーベルエポック。

華やかだけど、どこか物悲しい時代。。。

その儚さが日本の人の心をひきつけるのかもしれません。


あ~、本当にいいお天気!

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レトロな叡山電鉄のボディを眺めながら、

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おしゃべりしているうちに、一本乗り過ごし。

出町柳の漬物やさんが営む旬菜ダイニング 葵匠さんへ。

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お野菜中心のヘルシーメニュ。

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漬物のお寿司もとっても美味しい!

鴨川を渡って出町柳の駅へ。

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年齢も手芸もヨーロッパ暮らしも、共通点いっぱいのTちゃん。

楽しいひとときを本当にありがとう~♪

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新緑の世界が美し過ぎて、

写真が選びきれず、今回もとても長い記事になってしまいました。

読んでくださったみなさま、ありがとうございました^^


瑠璃光院、春の公開は6月15日までだそうです。

こんな素敵なところがあることを

教えてくださったRさんに心から感謝しつつ。。。

par Florilèges*S



そして、再会!

四半世紀前にトワル・ド・ジュイと出会ってから14年後、

私は再び、トワル・ド・ジュイと出会います。

今度は、手芸の材料として、

現在のジュイと出会います。



カルトナージュや刺繍と相性のよいトワル・ド・ジュイ。

素敵な先生や生徒さんのジュイを使った作品に

心の奥に刻まれていたジュイへの思いを呼び起こされて、

初めて取り寄せた生地が、

復刻生地を扱うオートンティック社の

quatre saisons aubergine

『四季の喜び』オーベルジーヌと

Corbeille dAbondance bleu

『豊穣の籠(かご)』ブルーでした。

その美しさに、はさみを入れられずに、

長いこと眺めて楽しんでいました^^



そして、その後、パリの郊外、マルリーの森近く、

ヴェルサイユの西隣の小さな街に暮らすようになった私は、

ジュイ・オン・ジョザスがヴェルサイユの向こう側の街だと知り、

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とうとう、とうとう、20年越しの夢を実現して、

ジュイ美術館を訪れました。


当時一緒に手作りを楽しんでいた

仲良しのお友達Tさんを案内して訪れたモンマルトルの生地屋さん街で、

たくさんある生地の中で、私が選んだ一枚が

histoire deau bleu-claire

『水物語』ブルークレール。


パリの手芸見本市で恋したマドヴァンの天使柄シェリュバン。

cherubin gris 

私にとって、どれもとても思い出深い生地たちです。


お気に入りのジュイで作品を作って、

地元のクリスマスマーケットで販売しているうちに、

ご縁あってジュイ美術館からご注文いただくようになり、

そのご縁が、昨年の文化村での展覧会や今につながっていることを

思うと、本当に感慨深いです。


これまでの人生の半分を占める

トワル・ド・ジュイと私の歴史。

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素晴らしいご縁をいただいて、ただいま製作中の本を通して、

そんな私の四半世紀分のときめき~

トワル・ド・ジュイ、カルトナージュ、美術史、刺繍、

カリグラフィ、額装、フレンチアンティーク、ジュイグッズ、

アトリエ、そして、なによりフランスでの日々~

を、少しでもみなさんにご覧いただき、

そして、私と一緒に楽しんでいただけましたら、本当にうれしいです。

完成までまだまだやることがいっぱい!がんばります~♪


par Florilèges*S
















トワル・ド・ジュイとの出会い

今日はみどりの日。

我が家の植物たちも、

ものすごい勢いで育っています。

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新緑のモミジに、黄色のカロライナジャスミン、

白いモッコウバラに、ヤマボウシ。

今優しい香りに包まれて、おうちにいるのが楽しい季節です。


東側に植わっているオオデマリも、

今年は、虫対策を早めにしたので、

葉っぱも花も食べられずに、きれいに咲いてくれました。

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玄関脇のブルーベリーも

可愛いパフスリーヴの花をいっぱいつけて、

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今年は豊作の予感~♪


本作りも、作品制作、撮影、レシピつくり、レシピ校正と進み、

これからトレースされたレシピの校正が始まります。

GW前には、トワル・ド・ジュイについてご紹介するページの

ドラフトを準備していました。

ジュイのことを書いていて、ずっとためていたジュイに関する

本やカタログ、資料を読んでいるうちに、

昔のことをいっぱい思い出しました^^


今日は、私とトワル・ド・ジュイとの出会いについて

書きたいと思います。


今からなんと25年以上も前、

結婚を機にフランスに住むようになった私は、

フランス語を勉強した後、日本人会が日本人向けに作成した

パリの学校リストの中で、ふと目にした美術史を学べる学校

エコール・デュ・ルーヴルに入学しました。

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今では、とても難しい入学試験があるそうですが、

当時は、フランス人なら早いもの順、

外国人は、フランス語のレベルテストで合格ラインに達していれば、

誰でも入学できました。

(進級、卒業できるかは別でしたが。)

この大学では、先史時代から現代アートまで、

西洋美術史だけではなく、アジア、オセアニア、アフリカの

美術史、美術のテクニック、コレクションの歴史まで、

美術に関することをすべて学びます。


フランスでは、国立の大学はほぼ無料で、

しかもこの学校の学生証があると、フランス中の国公立の美術館が

フリーパスで入れることに惹かれて入学したのですが、

勉強を始めたら、それはそれは楽しくて、

家事はほぼそっちのけで、

結局、4年間、第二過程の美術館博物館学まで

どっぶりと美術漬けの生活を続けてしまいました。


世界中のすべての時代の美術史のほか、

さらに、少なくとも一つ専攻テーマを選び、

それについては三年間を通して学びます。

私の専攻は、19世紀~20世紀初頭美術史。

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私たちの先生は、前年に着任されたばかりの長身、赤毛の若々しい先生、

学生たちのあこがれのギ・コジュヴァル先生。

口頭試験のとき、一対一で質問を受けるときには、

ドキドキしたものです^^

その先生も今は60代、2008年から今年の三月まで、

オルセー美術館の館長を務めていらっしゃいました。


午前中はスライドを使っての講義を受け、

ルーヴル美術館の一角にあったので、

毎日のようにルーブルの食堂でお昼ご飯を食べ、

午後は、美術館で実際の作品を観ながら講義を受けます。

そして、その後は夕方まで図書館へ。

まだ、パソコンやインターネットも普及する前のこと。

ノートづくりも大変でしたが、とても楽しい思い出です。


そして、私が初めてトワル・ド・ジュイと出会ったのが、

この学校の講義中でした。


二年生の装飾美術史の講義。

午前中のスライド講義は、真っ暗な中、必死でノートをとるので、

講義中はあまり考える余裕などないのですが、

初めて見たトワル・ド・ジュイで飾られた室内インテリアのスライド、

そして、パリ郊外の街ジュイ・オン・ジョザスにトワル・ド・ジュイ美術館があること、

いつかこの美術館に行ってみたい!と思ったこと、

そのことは、なぜかはっきりと記憶に残って、

その後も心の片隅にずっと刻まれていました。


そして、この薄っぺらいカタログは、私の宝物。

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1992年にジュイ美術館が開催した

『プリント生地に見るダンスと音楽』展のカタログです。


ルーブル美術館のミュージアムショップは、美術関係の書籍も

充実していて、年に数回、古くなったカタログや本を格安で販売する

ブラッドリーBraderieを催します。

そこで偶然見つけたカタログ。

整理整頓が苦手な私が、

その後、何度も引っ越しを繰り返したにもかかわらず、

不思議とこのカタログだけは、

迷子にならず、いつも手元にありました。

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フラン建ての値札シール。

まだユーロに替わるずっと前のことです。


トワル・ド・ジュイ美術館は、

もとは、1977年にオーベルカンフ美術館としてオープンしましたが、

その後、コレクションを順調に増やし、

1991年にエグランティーヌ城を改装して移り、

トワル・ド・ジュイ美術館となりました。

授業でトワル・ド・ジュイとジュイ美術館が取り上げられたのも、

開館したてでちょうど話題となっていたからかもしれません。

つくづく、トワル・ド・ジュイと縁があったのだなぁ、と

今更ながら思います^^



この小さなカタログは、これまで何度となく、

手に取り眺めていましたが、

今回いろいろと調べてみて、とても貴重な資料であることを実感しています。


今から15年前の展覧会を少し覗いてみましょう~♪


これは、J.-B HUETデザインのL'offrande à l'Amour『クピドへの貢ぎ物』。

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子どもたちのそばで、フランスのバグパイプ・

コルヌ・ミューズを演奏する男性がいます。


同じく、ユエによるDélices des quatre saisons『四季の喜び』の中にも、

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踊る男女の傍らで、座ってコルヌ・ミューズを演奏する男性。

持ち歩ける楽器コルヌ・ミューズは、

農民や羊飼いたちの楽器だったそうです。

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こちらは、パリのミュゼ・ド・ラ・ミュージック

音楽美術館所蔵のもの。

素敵な装飾がほどこされていますね。


ノスタルジックな田園風景を描いた美しいジュイ『四季の喜び』の

春のシーン。

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コルヌ・ミューズに併せて踊る男女の真ん中には、

L'arbre de mai(五月の木)が立てられています。


その昔、5月の最初の日には、

お花や葉をブーケにして松の木の枝の先に固定して立て、

根元では火を焚き、

その周りを歌いながら踊ったのだそうです。


『五月の木』のことは、昔、

民俗芸術の講義で習ったものの、

確認しようとインターネットで検索しても

なかなか期待する説明を見つけられずにいたのですが、

なんと、15年も前から手元にあったこのカタログに

探していた説明を見つけてウキウキしています^^


これは、春の女神マイアに捧げるお祭りの名残りで、

今でも春のお祭りとして、この風習が残っている地域もあるそうです。

授業では、愛しい人の家の前に『五月の木』を立てて、

愛の告白をするとも習った気がするのですが、

その記述はまだ見つけられていません。


人気の柄『四季の喜び』の魅力的な柄の中でも、

天使が舞い、とりわけ目を引くこの柄が

このような風習を描いたものだと知ると、

また楽しく眺めてしまいますね。


同じく『四季の喜び』の中の柄、

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こちらは、ピクニックと水遊びのシーン。

ジアンのティーセットにも採用されているエレガントな柄ですが、

私はこの柄を見るたびに、

マネの『草上の昼食』を思い出します。

今日、マネのこの作品は、ジョルジョーネの『田園の合奏』と

ライモンディの『パリスの審判』を基に描かれたとされていますが、

草上でピクニックする三人の男女、そして傍らで水浴びする女性、、、

私は密かに、ユエのこのジュイの柄を

マネは見たことがあったのではないかな?などと妄想しています^^


いずれにしても、ユエの時代の草上のピクニックは、

マネの時代にも楽しまれ、今に続く人々の楽しみであることは確かですね。


私とトワル・ド・ジュイとの出会いが、美術史の中だったからか、

私は美術品として、史料として、

ジュイをまず眺めてしまうのかもしれません。

でも、手芸の材料として使用する布に、

そんなストーリーがあるのは、

素敵なことですよね!

だから、私は、四半世紀経ってもなお、

ますますジュイに夢中なのでしょう~♪


すっかり長いお話になってしまいました。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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どうぞ、楽しい連休後半をお過ごしくださいね。


これからも、素敵なジュイのお話をご紹介してまいります。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします~♪


par Florilèges*S

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